● 夜勤の厳しい現状
夜間は1病棟40人~50人の患者さんを2~3人で看護しています。超高齢化が進み、入院患者さんは意識レベルが低い高齢な患者さんが多くなってきました。そのため、夜勤になるとトイレのお世話や咳・たんの吸引が必要な人が多く、一晩中走りっぱなしになります。ベットからの転倒を防ぐブザーもなりっぱなし…。急変する患者さんが出れば、大変な緊張を強いられます。
仮眠や休憩時間を保障されていますが、実際は長椅子にちょっと横になる程度です。夜勤の終了時間が来ても、夜間に記録などの様々な業務をこなす暇がなく、結局昼ころまでかかったりすることもあります。日夜、看護師は眠気を押し殺して、白衣を着ることで気持ちを切り替え、何とか毎日を乗り切っています。
● 夜勤のつらさを軽減するために
体内時計(サーカディアンリズム)に合わせたシフトへ組み替えることで、同じ夜勤でも負担を軽減させることができます。最も辛い組み合わせが「日勤~深夜」「準夜~日勤」。日勤終了後にすぐに睡眠を取ろうと思ってもなかなか眠ることができません。
「日勤~準夜~深夜」と次第に始業時刻が遅くなるようにずれていくシフトのほうが、体が新しいリズムに乗りやすく負担を多少軽減することができます。
体内時計と逆順の組み合わせの時は、次の日休日と組み合わせるなどして、「疲れを解消できるシフト」を組むことが有効です。
● 看護師不足なのに人員削減
現在、病院では慢性的な看護師不足のために、一人ひとりの負担が多くなっています。働く条件が次第に悪くなり、一人休職者が出ても人員の補充がされず、さらに休職・退職者を増やしてしまうという悪循環に陥ってしまっているところもあります。
● いま2交代制勤務もある
人員削減のために3交代制から2交代制に変わる病院が増えています。一度に16時間ぶっ通しで勤務するという過酷な条件の中働かされている看護師もいます。日中の休暇時間は保証されているといっても、家族や小さいお子さんがいればそうもいきません。2交代制に全くメリットがないわけではありません。けれども実際に移行してみると非常に辛いという声も確かにあります。
現在では、2交代制や3交代制の他に、「一斉に人員の交換」をするのではなく、シフトをさらに細かくして「交換時刻を少しずつずらして人員の必要な時間帯に看護師が多くなるように設定」することも始まっています。また、夜勤や深夜勤の時間を短縮する病院もあります。
● 数年で退職してしまう看護師が急増
このような状況の中、残念なことに若々しく情熱と才能に恵まれた看護師が数年で次々とやめています。看護師の人員を増やし、人並みの生活リズムを維持できる勤務体制を保証することが各地で叫ばれています。
多くの地方自治体で「国の責任において看護師など夜勤・交代制労働者、医療介護従事者の大幅増員に関して緊急に改善を推し進める必要がある」として、議案書を提出しています。
全国的に起き始めている看護崩壊・介護崩壊を食い止めるために、一刻も早い人員増と看護師の勤務体制の改善策が求められています。
⇒ http://aichi-irouren.jp/topics/120405-145453.html
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆ 三交代制から二交代制に変わりそう
⇒ http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0828/144460.htm?o=0
☆ 過酷な夜勤はもう耐えられない
看護師の職場を救いたい
⇒ http://diamond.jp/articles/-/19748